
相続した実家を空き家のまま持ち続け、どうするか決めきれないまま年数が過ぎている。大田区で空き家のご相談をお受けしていると、こうした状況をよく伺います。2026年現在、空き家に関わる税の特例と固定資産税のルールは、期限が近い時期に重なっています。この記事では、2026年12月31日が誰にとって最終ラインになるのか、2027年1月1日に何が変わるのかを、国税庁と大田区の公表資料をもとに整理します。
私たち大森山王エステートは、大田区で40年の実績を持つ地域密着型の不動産会社です。大森・山王・蒲田・大井町・池上で、空き家の売却や活用のご相談をお受けしてきました。
2026年12月31日が最終ラインになる空き家があります

特別控除には期限が2つあります
相続した空き家を売却したとき、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度があります。この制度には期限が2つあり、早い方が実際の締切になります。1つは制度そのものの適用期限で、国税庁は令和9年(2027年)12月31日までの譲渡が対象と公表しています。もう1つは「相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」という、相続ごとに決まる期限です。建築時期や売却代金など対象家屋の要件は不動産売却で手取りを最大化する税金対策と費用削減術で整理していますので、あわせてご確認ください。
2023年に相続した場合、2026年内の売却が条件になります
2つ目の期限は相続が発生した年で決まります。2023年の相続なら3年を経過する日は2026年のいずれかの日となり、2026年12月31日が期限です。2024年の相続は2027年12月31日で、制度の適用期限と重なります。2025年以降は3年の期限より制度の適用期限が先に来るため、やはり2027年12月31日が上限です。2023年に相続した空き家は、年内に引き渡しまで終えられるかが分かれ目になります。
区の確認書は申請から約2週間かかります
確定申告には「被相続人居住用家屋等確認書」を添付します。大田区の窓口は建築調整課で、書類の確認が完了するまで約2週間かかると案内されています。不備があればさらに日数が必要です。区が交付できるのは区内の家屋と敷地に限られ、交付は特例の適用を確約するものではありません。適用の可否は税務署または税理士にご確認ください。
2027年1月1日、放置した空き家の固定資産税が変わることがあります

「管理不全空家等」は勧告の対象になります
2023年12月13日に施行された改正空家法で、「管理不全空家等」という区分が設けられました。放置すれば特定空家等になるおそれがある状態を指します。大田区も国のガイドラインをもとに判定基準を公表しており、窓や外壁の破損、屋根の変形、道路へはみ出した樹木などが見られます。指導を受けても改善されない場合、法第13条第2項に基づく勧告が行われることがあります。
税額は「6倍」ではなく、4倍前後と見込まれます
勧告を受けると、その土地は住宅用地特例から外れます。200平方メートル以下の小規模住宅用地は課税標準が評価額の6分の1に軽減されますが、これが使えなくなります。「6倍になる」と言われるのはこのためですが、税額が6倍になるわけではありません。外れた土地は非住宅用地として扱われ、課税標準の上限は評価額の7割だからです。評価額3,000万円の土地なら、特例ありは500万円×1.4%で7万円、外れると2,100万円×1.4%で29万4千円、およそ4.2倍です。負担調整措置により段階的に引き上げられますが、年20万円規模の負担増になると見込まれます。なお、これは勧告を受けた場合の話で、2027年度の評価替えによる評価額そのものの見直しとは別の仕組みです。評価替えについては大田区の固定資産税が上昇?2027年評価替え後の正しい売却判断をご覧ください。
判定の基準日は1月1日です
固定資産税の賦課期日は1月1日です。勧告を受けた状態で1月1日を迎えると、その年の課税から特例が外れます。裏を返せば、指導の段階で改善するか、売却や解体の方向を決めれば勧告には至りません。2027年1月1日を特例が外れた状態で迎えないためには、2026年内に手を打つことになります。宅地建物取引士の立場から申し上げると、この一点だけでも年内に動く理由になります。
2026年度の助成制度は、空き家に使えるものと使えないものがあります

住宅リフォーム助成は空き家には使えません
大田区の住宅リフォーム助成は令和8年度も実施されています。ただし対象は「令和8年1月1日時点から助成決定日まで、工事対象住宅に継続して居住する区民」で、誰も住んでいない空き家の改修には使えません。事前申込は令和9年1月29日まで、本申請は令和9年3月19日までで、予算約1億1,600万円に達した時点で終了します。令和8年10月1日時点の執行率は約58%です。
解体費は不燃化特区の除却助成が使える場合があります
解体費には不燃化特区の老朽建築物除却助成が使える場合があります。区の案内では、昭和56年5月31日までに建築された木造住宅を除却する個人または中小企業者が対象で、助成額は最大150万円、羽田二・三・六丁目地区で未接道建築物を除却する場合は上限200万円です。要点は事前申請が条件という点で、工事着手の概ね15営業日前までに承認申請書を提出します。先に解体すると対象になりません。
地域貢献活用事業は2027年3月末で終了予定です
大田区の空家等地域貢献活用事業は、空家等利活用事業の運用開始に伴い令和9年3月31日をもって終了する予定と区が公表しています。新しい事業では、区が2026年8月20日に宅地建物取引業の2団体と協定を結び、相談からマッチング、契約までを宅建業者が一貫して担当します。活用を検討されているなら、どちらの枠組みで進めるかを年度内に整理することになります。
2026年内に、どこまで進めておくか
売却を選ぶなら逆算が必要です
相続した空き家の売却は、相続登記と遺産分割の確定、確認書の取得、解体や耐震改修の判断、媒介から成約、引き渡しという順に進み、着手から半年から1年はかかります。大田区での不動産売却のご相談は、査定だけでもお受けしています。
売る以外の選択肢も同じ土俵で比べます
賃貸に出す、解体して土地として売る、持ち続ける。どれを選んでも構いませんが、持ち続ける間も固定資産税と管理の手間はかかり続け、特例の期限は過ぎていきます。宅地建物取引士として申し上げられるのは市場での評価までで、税額の判断は税理士、登記は司法書士にご確認ください。選択肢の比較は【大田区版】空き家・古家の放置は損!売却、賃貸、解体、ベストな活用法を解説で整理しています。
まとめ
2023年に相続した空き家は2026年12月31日が特別控除の最終ラインです。管理不全の状態が続けば、2027年1月1日の賦課期日で固定資産税の軽減が外れます。確認書の交付や解体助成の事前申請にも時間がかかります。まずは建物の建築年月日と相続の発生日を確認し、どの期限が自分に関係するかを特定してください。大田区の不動産について判断に迷われたら、お気軽にお声がけください。
