
2026年4月から住所・氏名変更登記が義務化されたことはご存じの方も多いでしょう。(義務化の基本や大田区特有のリスクについては、こちらの記事で詳しく解説しています。)
この記事では、義務化への対応策として注目されている「スマート変更登記(職権登記)」に絞って解説します。一度登録しておくだけで、将来の住所変更登記を自動化できる仕組みです。「平日に法務局へ行く時間がない」「司法書士への依頼費用を抑えたい」という方はぜひ最後までお読みください。
スマート変更登記とは?従来の手続きと何が違うのか

スマート変更登記とは、2026年4月の不動産登記法改正と同時に本格運用が始まった制度です。正式には「住所等の変更登記の職権登記」と呼ばれます。
従来の住所変更登記との違いを整理すると、以下のとおりです。
| 従来の変更登記 | スマート変更登記 | |
|---|---|---|
| 手続きの主体 | 所有者本人(または司法書士) | 法務局の登記官(職権) |
| 法務局への出頭 | 必要 | 不要 |
| 登録免許税 | 1件につき1,000円 | 無料 |
| 添付書類 | 住民票など | 不要 |
| 将来の引越し | そのつど手続きが必要 | 転入届で自動連動 |
(※)身分証明書(運転免許証またはマイナンバーカード等)のコピーが必要な場合があります。
一度「事前申出」を済ませておけば、その後どこへ引っ越しても役所に転入届を出すだけで登記が連動します。
仕組みを図解:転入届を出すだけで登記が連動する

スマート変更登記の流れはシンプルです。
- 所有者が法務局に「検索用情報の申出」を事前に登録する
- 引越し時に区役所(大田区の場合は蒲田の本庁または各特別出張所)へ転入届を出す
- 住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)経由で変更情報が法務局へ自動連携される
- 意思確認メールが届くので返信
- 法務局の登記官が職権で登記簿の住所を更新する

大田区内での転居(例:大森から蒲田)はもちろん、区外・都外への引越しでも同様に機能します。
申請前に用意するもの
手続きを始める前に、以下を手元に揃えてください。
必須のもの
- Windows PC(推奨:Windows 11、ブラウザはMicrosoft EdgeまたはGoogle Chrome)
- 申請者IDとパスワード(「かんたん登記・供託申請」への事前ユーザー登録が必要。未登録の方はサイト上で無料登録できます)
- 不動産の地番(権利証・登記識別情報、または登記簿謄本に記載されています)
- メールアドレス(法務局からの意思確認通知が届くアドレス)
- 身分証明書の画像データまたはPDFファイル(運転免許証またはマイナンバーカード表面等)
スマートフォンからの申出はできません 「かんたん登記・供託申請」のスマートフォン対応は登記事項証明書の交付請求など一部の手続きのみです。検索用情報の申出(スマート変更登記)はPC専用となっています。
【手順】検索用情報の申出ステップバイステップ

申出はPCのWebブラウザからオンラインで完結します。費用は無料です。
Step 1:サイトにアクセス PCのブラウザで「かんたん登記・供託申請」(https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/mtouki/)を開きます。ページ中段の「『スマート変更登記』をご利用いただくための『検索用情報の申出』はこちら」リンクをクリックします。
Step 2:申請者IDでログイン 申請者IDとパスワードを入力してログインします。IDをお持ちでない方は「申請者IDをお持ちでない場合」から先に無料登録を済ませてください。
Step 3:利用場面を選択 「利用場面選択」画面から「不動産登記(申出)」の区分にある「検索用情報の申出(スマート変更登記用)」の「この手続を選択」ボタンをクリックします。
Step 4:申請情報を入力 画面の案内に従い、以下の情報を入力します。
- 氏名・氏名のふりがな
- 現在の住所
- 生年月日
- メールアドレス
- 申出対象の不動産の地番
複数の物件を所有している場合も、1回の申出でまとめて登録できます(管轄の異なる物件も同様)。
Step 5:身分証明書を添付して送信 身分証明書(運転免許証またはマイナンバーカード表面等)の画像またはPDFデータをアップロードし、内容を確認して送信します。電子署名は不要です。送信完了後、登録したメールアドレスに完了通知が届きます。
注意点① 自動更新でも「意思確認通知」への返信が必須

スマート変更登記は「完全自動」ではありません。
住基ネットの変更情報が法務局に届いた後、登記官から本人宛てに「登記を行ってよいか」という意思確認の通知(原則メール、または書面)が届きます。この通知に対して1か月以内に同意の返信を行わなければ、登記は実行されません。
メールを見落とすと義務違反のままになります。申出の際に登録するメールアドレスは、日常的に確認できるものを設定してください。
注意点② 個人名義の不動産のみ対象

スマート変更登記はマイナンバーカードを活用する制度のため、個人名義の不動産のみが対象です。
資産管理会社などの法人名義でアパートや区分マンションを所有している場合は、別途「会社法人等番号」を用いた変更登記(商業登記ベース)の義務化対応が必要です。個人と法人の両方で物件を保有しているオーナー様は、混同しないようにご注意ください。
注意点③ 過去の未登記分はスマート登記では解決できない

スマート変更登記は、今後の住所変更を自動化する仕組みです。過去にすでに発生している住所変更の未登記分には対応していません。
「10年前に引越したが登記簿の住所が古いまま」という場合は、別途、通常の変更登記手続きが必要です。過去分の対応と今後の自動化をセットで進めることをおすすめします。
過去の未登記がある場合の具体的なリスクや対応方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ:スマート変更登記で「将来の手間」をゼロにする
スマート変更登記のポイントを整理します。
- 一度「事前申出」をすれば、将来の引越しのたびに転入届だけで登記が自動更新される
- 申出はオンライン完結・無料・法務局への出頭不要
- 意思確認通知(メール)への1か月以内の返信が必須
- 対象は個人名義の不動産のみ(法人名義は別途対応が必要)
- 過去の未登記分はスマート登記では解決できないため、過去分と今後分をセットで対応する
登記の現状確認から売却査定まで、地元大田区の専門家へ
「自分の物件の登記、今どうなっているの?」という段階からでも、お気軽にご相談ください。過去の未登記の確認・対応から、売却・賃貸運用のご相談まで、地元・大田区で30年の実績を持つ大森山王エステート(サンキュー産業)がワンストップでサポートします。
本記事は2026年5月時点の法令・制度に基づいています。法律の詳細については司法書士・法務局にご確認ください。
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